2024年8月19日更新
ニュージーランドで定期預金を検討している方は要注意。
高止まりし続けていた政策金利は8月の金融政策決定会合でついに0.25%の利下げが行われました。
当ブログで毎週更新している経済カレンダーをご覧頂いている方には既知の情報ですが、現時点での経済アナリスト等による大方の予想は2025年末まで、会合のたびに0.25%の利下げが行われるというもの。政策金利は年7回発表されるので、会合毎に利下げとなれば、2025年末までに3.5%の利下げとなり、定期預金も同等程度下がることが予想され、高金利通貨として定期預金の魅力は徐々に下がることが予想されます。
政策金利の発表は2024年内はあと2回 ー 10月9日、11月27日。
2025年は7回 ー 2月19日、4月9日、5月28日、7月9日、8月20日、10月8日、11月26日
今後の動き次第ですが「金利が高い」と言える状況が崩れ始めている事から、本稿の更新は今回が最後となる可能性が高いです。
2024年2月22日更新
本稿は約10ヶ月前の2023年4月28日に公開したものですが、皆さんは今日までの間、定期預金を組まれていたでしょうか?
本稿公開後の5月下旬にRBNZ(ニュージーランド準備銀行)は政策金利を0.25%引き上げ5.50%とする追加利上げを行い市場を驚かせましたが、その後は今日に至るまで金利を据え置いて、インフレが下がってくるのを観察している状態なので、本稿公開直後に1年ほどの定期預金を検討・開始した方は、ほぼピークの金利で定期預金を組めたと思います。
そして現在は「インフレ率の下降速度が緩やかすぎる」状況で、RBNZは追加利上げの可能性も維持するなど、非常に舵取りの難しい局面を迎えており、だからこそ金融アナリストも経済指標の発表内容で右往左往して利上げ派と、維持派が入り交じる、予想がつかない混戦模様を呈していますが、近々、定期預金の満期を迎える方にとっては、またも高い利率を得られる好機になっています。
2024年2月
2023年4月
2023年4月の本稿発表後に上がった政策金利幅は0.25%ですが、9ヶ月定期預金の利率を見比べると、0.25%以上に金利が引き上げられているのが分かります。
これは簡単に言うと、銀行が仕入れる1年利率が2023年4月当時よりもおしなべて高かったかため、その増益分を定期預金の金利を上げて還元するような形だったということです。
しかし、それでも、必ず金利は下がってきます。
焦点は、上がるか?下がるか?ではなく、いつ下がるか?です。
なぜなら現在の金利は、インフレ率をRBNZの目標値である2%台に押し戻すための緊急措置だからです。
定期預金金利が今よりも高くなることを100%否定はできませんが、現在が非常に高金利であることは間違いありません。
2023年4月28日に公開した当時から10ヶ月が経とうとしている今、改めて長期定期預金の検討もしてみると良いかもしれません。
以上、追加更新記事。
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オリジナル投稿はここから
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ニュージーランド在住者はご存じの方が多いと思いますが、ニュージーランドのOCR(Official Cash Rate = 政策金利)は2021年10月の利上げを機に1年6ヶ月の間に金利が0.25%から5.25%まで瀑上がり中。
2021年10月の利上げ開始以降、グラフでは階段状になっているため利上げがなかった月もあるように見えますが、OCRの発表は年7回なので実際には毎回、利上げされています。
OCRが上がるということは、(必ずとは言わないまでも)ニュージーランドの金利や利率と呼ばれるものの多くが利上がることを指しており、その中の一つに、銀行に預け入れておくだけでお金が増える定期預金の金利もあります。
つまり
ニュージーランドの定期預金金利もこの1年半で瀑上がりしています。
日本の銀行が提供しているふざけた利率の定期預金に慣れている方ならニュージーランドの銀行が提供する金利の高さをみて喜びのあまりぶっ倒れてしまう人がいるかも思うほどに高いですし、
ニュージーランドに長く居る方なら久しぶりに日本の定期預金の金利をみて「こりゃないわー 笑」 とでも呟けるよう、2カ国の定期預金金利の差を画像で用意しました。
補足ですが、日本は日銀(日本銀行)がOCRを据え置いているので市中銀行も利上げできる余地がないという方が正確で、べつに銀行が利用者をナメきっているわけではありません。
定期預金を比較検討してみよう
今回の記事でも情報ソースにしていますが、ニュージーランドのファイナンス関連の情報を取り扱っているInterestというサイトには様々な金融関連の情報があり、その中の「計算機」カテゴリーには定期預金を2つ左右に並べて比較できるTerm Deposit Calculatorというのがあります。
使い方は非常に簡単で項目に沿って必要事項を入力するだけ。
次の画像では日本円とNZドルの換算レートを分かりやすいように100円=1ドルと見立てて100万円=1万ドルとしたうえでANZの9ヶ月レートとSBI新生銀行の1年レートを使って1年間定期に入れたらどうなるのか?を比較してみました。
左がANZで右がSBI新生銀行。同じ額を預け入れても1年間で500ドル強の差が生じる。それが今のニュージーランドと日本の金利差です。
「Tax rate : 利息にかかる所得税率」という項目が計算機の下から3つ目にありますが、これは下記を参照にIRDへ納めているIncome Tax (所得税)率にあわせて選択してください。無収入の方や分からないという方、または単なる比較なので大まかに分かれば良いというような方は0%を選んでください。
まあしかし、本来、比較すべきは当然ながらニュージーランド国内銀行の定期預金です。
サイト Interestの中に定期預金の比較リストがあるのでぜひとも参照してください。
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