「今週のニュージーランド経済」という記事をアップしたら、友人から思わぬリアクションがありました!
友人が言ってくれたのは、「あの記事読んだけど『へぇ~・・・』って感じだよ 笑 誰トク情報なの?」って(笑)。
友達の率直なコメントに感謝しつつ、この情報が実際にどれだけ役立つきっかけになるのかを書いていくことにしました。
日本とは異なり、モノやサービスの価格が高く、文化や考え方が異なるニュージーランドに移住してきた日本人の私たちにとって、お金の賢い使い方はニュージーランドでの充実した豊かな生活と明るい未来を築くための肝要です。
そして、その基礎となるのが、経済指標への理解です。
ニュージーランドで賢い経済判断を下し、ご自身や家族の未来をより良くするためには、経済指標をチェックする習慣を身につけることが大切で、そのために経済指標の発表日をカレンダー式に記して投稿したのが「今週のニュージーランド経済」です。
・・・経済指標
「超絶 つまらなさそう」
と思った方もいるかも知れませんが、
経済指標を理解すれば、ニュージーランドでのお金の使い方がもっと楽しく、かつ賢明になることができるはずです。
経済指標って何?
そもそも経済指標って何かわからない。という方もご安心ください。
難しく考えず、景気の善し悪しを示す「数字やデータのこと」だと思ってください。
。。。わかりにくい?
では、こういう表現ならどうでしょうか?
国の「経済」=『人の体』、「経済指標」は、体の調子を知るための『健康診断』。
健康診断を思い出してみてください。
血液検査やX線、バリウム検査や尿検査など複数の検査を行い、その結果から、あなたは総合的に「A判定」とか、「◯◯の数値が上がってきているので注意」とか、体の健康状況を診断され、それに応じて対策したり、次の健診まで放置しちゃったりしますよね。
経済指標は、健康診断で行う各検査と同じように、様々な角度から経済に関連する複数のことを調査しています。その調査結果から、国の経済は総合的に好景気/不景気だという状況確認がされ、また将来の予測を立てたり、今後の方針を決めたりして、国が衰退していかないよう舵取りをしていく重要データなのです。
なぜ個人が経済指標を知る必要があるの?
「経済指標が何かはわかったけど、それは国の経済の話で、私たち個人の財布とは何の関係があるのかな?」
と思う人もいるかも知れませんが、
経済指標は国の経済トレンドを把握するのに極めて重要なだけでなく、私たち個人の収入、支出、貯蓄、借金などにも直接影響をおよぼす重要な要素です。これらの情報は、個人の金銭管理や将来の計画に不可欠なものであり、経済指標を知ることで、以下のような考え方ができるようになります。
職業選択とキャリア
例えば「金銭面での豊かな生活」を最重要視として職業を選択するなら、失業率や雇用統計を知ることで、どの職種が需要が高いかを示す手がかりになるので、需要が高い分野に進むことができ、就職の機会も増えます。
キャリアを築く行程でも、経済成長率がプラスになっている時なら、給料の上昇が期待できるため、昇給交渉や転職による収入増を考える絶好の機会だと分かりますし、投資や消費にお金を使う余裕もあると考えて行動を起こせます。逆に経済成長率がマイナスに向かっている場合は、給料の現状維持やボーナスがなくなる等の可能性が高まります。この時は、昇給交渉や転職が難しくなり、投資や消費ではなく、貯蓄や節約のを重視すべきタイミングだという判断ができ、備える事もできるようになります。
お金を増やす
投資に興味がある人々には経済指標がお金を増やすヒントをたくさん提供してくれます。例えば、不動産への投資も、住宅着工許可件数が急増し、住宅販売価格が上昇している地域は、不動産投資のチャンスと言えたり、また、移民の流入が増えている地域も、不動産需要が高まるため、投資の対象として検討するなど、住宅市場の状況を把握し、賢い投資判断を行うための重要な材料となります。
お財布を守る
例えば、RBNZ(ニュージーランドの中央銀行)の政策金利や市場金利の動向を把握しておくと、自動車/住宅ローンといった借入金利や、利息を得る貯蓄/投資の組み直しを考えるなど、財布を守るための賢明な計画を立てることができるようになります。
ニュージーランドと日本の往来
故郷日本へのホリデー帰国を楽しみにしている人も多いと思いますが、例えばニュージーランドの消費者物価指数が上がり、インフレ率が上昇すると、従来NZ$5で買えていたチョコレートが$7になるなど、同じものを買うのに$5では足りない=お金の価値が下がっているという意味にもなります。一見すると、日本への旅行とは関係ないように思えるかも知れませんが、NZ国内でのお金の価値の下落は、外国為替の世界でもNZドルの価値低下をもたらす可能性があると理解できるようになります。そうすればお金に賢い選択という点において、日本への旅行も今は少し待つべきタイミングかもしれないという選択を持てたり、または逆に、今日本に帰って銀行においてある円をNZ$に変えるチャンスと考えられるようにもなります。
つまり、経済指標を知れば、自身を取り巻く環境を知らずに無計画で行動するのではなく、自分が生活している国の環境がどのような状況にあるのかを分かったうえで考え、行動を起こせるようになります。
それはお金の使い方に賢くなるという事であり、個人のニュージーランド生活をより豊かにし、より良い未来を築くための礎石になり得るのです。
経済指標を楽しく理解する方法
経済指標は単なる数字やデータの羅列ではなく、それぞれの指標には必ず、背後にストーリーがあります。そのストーリーを小難しく、眠くなるように話すのがアナリストや経済学者だったりするのですが、経済指標を自分の身近に結びつけてストーリーを考えることが大切です。
- ストーリーを考える
数字やデータを見ながら、その背後に隠れたストーリーを考えると面白みがグッと増します。たとえば、失業率が低いなら、たくさんの人が仕事を見つけてるってストーリーが見えてきますし、平均年収が上がっているなら、転職して年収を上げていたり、昇給交渉がうまくいっている人が多い。そういえば、最近、Aさんや、Bくんが転職して羽振りが良さそうだなとか、従業員が入社してきてもすぐにまた退職していくなどと、数字に物語を付け加えて見ることで経済指標の内容がよりクリアに楽しく感じられるようになります。 - トレンドを見る
経済指標はその時々に発表される数字だけではなく、時間の経過による変化もみてトレンドを捉えていきます。 例えば過去4ヶ月、失業率が連続して上昇しているなら、これが大量の移民流入による一時的なものなのか、またはChatGPTなどのAI革命により、産業に変化が生じているというような、より大きな問題の兆候なのかなど、中長期的なデータを考慮してトレンドを捉え、背景のストーリーを考え、経済の方向性を予測することの楽しみが感じられます。 - 日常と結びつける
これまで述べてきたとおり、日々の生活や仕事に経済指標を関連付けてみてください。
たとえば、インフレ率が上昇すると、日常の買い物がどのように影響を受けるか考えてみる。レストラン経営者なら、消費者支出や失業率、旅行者統計などの変動が経営にどう影響を及ぼすのかを考えてみる。など、身の回りで起こっている事象には経済指標を知ることで説明のつくことが沢山あります。
「今週のニュージーランド経済」の意図
「今週のニュージーランド経済」と題して投稿したニュージーランド経済カレンダーは、最新の経済指標がいつ発表されるのかをご紹介することで、指標に関連するニュースを注目するきっかけとしてもらえるのと同時に、積極的な行動を起こせる方には以下のようなメリットも期待できます。
- 家計管理
物価水準の変動を示すインフレ率や金利動向を追うことで、効果的な家計管理も可能に。物価上昇率が高いなら、家計支出の見直しや貯金の見直しを検討などを適切なタイミングで行なえます。 - 家計の最適化
失業率や景気動向をモニタリングし、家計の収入源や支出を調整することで、家計の安定性を確保 - 投資
投資というと小難しく聞こえがちですが、お金を増やすためにお金を働らかせる事が投資なので、株や債券、純金、不動産、ビジネスなどの他、定期預金などの利息を受け取れる銀行預金も投資です。経済指標を活用すれば家計に合った短中長期的な投資目標を設定して投資を考えることができます。 - リスク管理
例えば住宅ローンの切り替え時期が1ヶ月を切っている状態で、政策金利の発表が控えている。殆どのアナリストが大幅利上げを予想していて、あなたもアナリストに同意しているなら、政策金利の発表前に、銀行やエージェントと話をつけて利上げが行われる前に金利を固定するなどの対策を講じることができます。 - 教育プラン
インフレ率の変動を把握して子供の教育費用を考慮してプランニング - キャリアプラン
昇給交渉、転職、副業やフリーランスの検討など。経済指標を参考に、昇給交渉や需要の高い分野や産業を見つけるなど収入を増やすためのプランニングが格段にしやすくなります。 - 金融教育
経済指標や金融知識を得て家族と共有することで、家族メンバー間でお金についてきちんと話し合える基礎が持て、共通の経済目標に向かって協力しやすくなったり、より根拠ある適切な意思決定ができるようになることで、家族全体の財務状況を改善させやすくなります。
などなど
まとめ
経済指標は、お金の知識を深め、賢い金融的な判断を下すのに不可欠な情報源です。
たしかに経済指標は、国の経済状況を示すものですが、
大雑把に言えば、個人や法人の行動をまとめたのが経済指標で、これを更に評価分析して経済政策の意思決定が行われているので、つまり個人一人ひとりの行動が大元のデータなのです。
ですから、あなた自身が大元のデータの1人である=データの一部であることを意識し、国や経済機構がまとめた経済指標を理解し、日常の生活に活かすことが重要です。
経済指標を知り、日常の生活に取り入れて、お金の使い方や投資の判断に役立てるなど、お金をより賢く管理することで、ニュージーランドでもより豊かで安定した経済的な未来を築くことができるはずです。
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