ニュージーランドの主な経済指標の発表スケジュールをまとめました。
2023年12月11日月曜日- 第50週 の発表は以下が予定されています。
12日 | Electronic Retail Card Spending NOV | 11月 小売電子カード決済 |
Visitor Arrivals YoY OCT | 10月 ビジター入国者数 前年同月比 | |
Migration NOV | 11月 移民者数 | |
13日 | Current Account Q3 | 第3四半期 経常収支 |
Food prices index YoY NOV | 11月 食品物価指数 前年同月比 | |
Rental Price Index OCT | 10月 賃貸価格指数 | |
14日 | REINZ House Prices NOV | 11月 REINZ住宅販売価格 |
GDP Growth Rate Q3 | 第3四半期GDP | |
15日 | Business NZ PMI NOV | 11月製造業景況感指数 |
ものかん
今週は、注視すべき指標の発表がいくつもあります。
先ずは12日に発表予定の移民者数と14日のREINZ住宅販売価格。この2つの指標はニュージーランド国内の内需動向を判断するうえで重要で、ニュージーランドの中央銀行RBNZがインフレ率が思うように下がってこない要因の一つと明言して注目している=追加利上げの判断材料です。移民者数については、多くのアナリストが、年間純移民者総数の更なる増加=過去最高記録の更新を予測しており、その通りになるのかどうか。また住宅販売では、発表される数値が、選挙も終わり、夏(=住宅販売の最盛期)に向かって活発な動きを見せているかどうかに注目です。
そして今週最大のイベントは14日木曜日に発表予定の第3四半期GDP。一言で表すなら、経済の拡大・縮小を意味する数値で、横ばいやマイナスがみられると、企業の売上が伸びず、失業率が上がり、収入は減り、個人の購買力が低下するなどの可能性が上がります。
これら1つ1つの経済指標の発表から、どのようなことが分かるのか? 個人の日常生活にどのようなインパクトを与えるのか?についてリストにまとめた下記記事も併せてご覧ください。
ニュージーランド経済指標リスト: 意味と生活への影響
ニュージーランドの経済を探る鍵となる主要な経済指標を英語と日本語で一覧にしました。これらの指標が何を意味し、日常生活にどのような影響を与えるか、ぜひチェックしてみてください。経済動向を読み解き、より賢い金銭計画を立てる手助けになります。
コメント
移民者数は入国と出国を差し引いた純移住者数が129,000人と過去最高を記録。
REINZ住宅販売価格は0.4%増(季節調整済)で、8月から大きく変わらずほぼ横ばいといってよい状態が継続。
住宅市場は高金利による影響を受けているのは間違いなく、ファーストホームバイヤーや、住み替えを検討している人に厳しい状態である事は言わずもがなですが、投資家にとっても、純賃貸利回りが低く、魅力に乏しい市場であることを暗に示しているように思います。
しかし業界人らは将来的な見通しに楽観的だろうことが純移住者数から推測できます。
また合わせて新政権が様々な政策が検討している中で、不動産投資家の需要喚起につながる金利控除の完全復活や「Brightline」と呼ばれる売却益課税の保有期間短縮などを検討していることもプラス材料になると思われます。
今回の2つの経済指標をみる限りでは、RBNZが2024年2月に利上げする可能性はかなり低くなったと言えると思います。
ニュースを見た方も多いと思いますが、第3四半期(9月期)GDPはマイナス0.3%と発表されました。
この数字は、金融経済に関わる業界人には比較的驚きを持って迎えられたはずです。なぜなら、純移住者数が記録を更新し続けている=移民により人口数が力強く増えているという意味なので、失業率が緩やかに上昇を続けていてもなお、お金を使う人の母数が増えているため経済活動が活性化することが見込めるにも関わらず、マイナス成長だったということは、実質的には0.3%減どころではなく大幅に減少したと捉えて間違いないからです。
この状況下ではRBNZが2月に追加利上げに走る可能性は更に低くなったと思ます。
目先では、Treasury(NZ財務省)が来週20日に新政権に変わって初の発表を予定してHalf Year Economic and Fiscal Update 2023 (HYEFU)で経済・財政計画についてどのような見解を示すかに注目です。