ニュージーランドで働く多くの人は既にご存知だと思いますが、今週2024年7月31日水曜日から減税が実施され、手取り額が従来よりも増える人が全国に約350万人いるようです。
減税の新旧 対照表
下記の表は、Tax rate(税率) と、2024年7月31日以前と以後で変更される対象年収枠が記されています。
計算は累進課税
税率の計算には、所得が増加するにつれてより高い税率が適用される累進課税制度が適用されています。
例えば年収NZ$100,000なら表にある33%に該当するので年間$33,000課税される。
ということではなく、次のように計算されます。
2024年7月31日以降 適用 計算額範囲 | 該当計算額 | 税率 | 税額 | |
1 | 15,600 | 15,600 | 10.50% | 1,638 |
15,601 | 53,500 | 37,900 | 17.50% | 6,633 |
53,501 | 78,100 | 24,600 | 30% | 7,380 |
78,101 | 100,000 | 21,900 | 33% | 7,227 |
年収 | 100,000 | ‐ | 22,878 |
実際の計算では、以下の条件を加味していかないと正だしい税額が出ません。
‐ 労働しているか?
‐ NZSuperを受給しているか?
‐ パートナーはいるか? Yes ならパートナーの収入はいくらか?
‐ 住宅をシェアしている成人はいるか?
‐ 扶養している子供は何人いるか?
正確にご自身が支払うことになる税額を知りたいという方は、ニュージーランド政府が用意している計算サイトにアクセスして計算することが可能です。減税でいくら手元に多く残るのかも表示されるので興味のある方は下記リンクからアクセスしてみてください。
未就学児がいる世帯への補助金 FamilyBoost
未就学児(5歳以下)がいる世帯には、Early Childhood Education (ECE) の費用を政府が一部負担するFamilyBoostという補助金制度があります。
受け取る条件は、ニュージーランドの納税者(Tax resident)で世帯収入がNZ18万ドル以下、そして未就学児が通う認可されたECEサービスプロバイダーからの費用が生じている事となっています。
お子さんが通われる/通っているECEプロバイダーが認可されているかどうかはこちらから確認できます。
政府からの補助金は、20時間無償保育とMSD保育補助の終了後に発生したECE費用の最大25%(上限$75/週)が払い戻されるとしてありますが、下記で示すように世帯年収により大きく異なります。
世帯収入 | 最大支払額(週) | 3ヶ月毎の支払額 |
~ $140,000 | $75 | $975 |
$150,000 | $56.25 | $731.25 |
$160,000 | $37.50 | $487.50 |
$170,000 | $18.75 | $243.75 |
また政府からの補助金は3ヶ月毎にまとめて支払われる仕組みなので、実費で支払っておいて、後から補助金を申請して受給するという形になります。
注意:FamilyBoostは登録申請制
FamilyBoostは対象者であっても、
1: 登録しないと受け取る資格は得られませんし、
2: 資格を得ても申請しないと補助金は受け取れません。
受け取るには以下の対応が求められています。
‐ myIR への登録
‐ 2024年7月1日以降はECEの請求書をデータ(PDFまたはJpeg)で保存
‐ ECEの請求書に記載されている氏名がmyIRアカウントの氏名と一致していること
‐ 四半期ごと1回、保存した請求書データをmyIRにアップして請求すること
対象期間 | 申請受付開始日 |
1月1日 ‐ 3月31日分 | 4月1日より |
4月1日‐6月30日分 | 7月1日より |
7月1日‐9月30日分 | 10月1日より |
10月1日‐12月31日分 | 1月1日より |
詳細はIRDがPDF5枚にまとめたFAMILYBOOST – QUESTIONS AND ANSWERSをご覧ください。
減税が見込まれる方
今回の減税で、従来よりも手元にお金が多く残る方は、そのお金で欲しいものを購入したり、旅行したりといったこともできますが、ニュージーランドは(というか日本が例外なだけで、多くの国がそうなのですが)毎年インフレで物価が上昇します。
物価が上昇するということは、お金は持っているだけでその価値が下がる事を意味しているので、コレを機に、お金を放置せず、消費するかまたは投資に回すなど有効的な活用を検討されることをおすすめします。
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