ニュージーランドの主な経済指標の発表スケジュールをまとめました。
2024年8月19日月曜日- 第34週は以下が予定されています。
ニュージーランド:主要経済指標カレンダー
19日 | Business NZ PSI Jul | 7月 Business NZ サービス業景況感指数 |
20日 | Trade Balance Jul | 7月 貿易収支 |
22日 | Global Dairy Trade Price Index | GDT価格指数 |
23日 | Retail Sales Q2 | 第2四半期 小売売上高 |
先週14日にRBNZ(Reserve Bank of New Zealand/ニュージーランド準備銀行=NZの中央銀行)が発表した利下げは、5大銀行のうち1行のみが予測していた事からも透けて見えるとおり市場はそれなりのサプライズを持って迎えましたが、NZIER(New Zealand Institute of Economic Research/ ニュージーランド経済研究所)がロールプレイして利下げ意見が過半数を超えたという点(RBNZの会合とは無関係)や、本家RBNZでは全会一致で利下げが決まったことなど、市場との温度差を感じる決定過程でした。
RBNZが第2四半期及び第3四半期GDPの予測を大幅に下方修正したという一点のみを見ても、市場が現在感じている景気後退感は、今後そのスピードを加速させより深みへ進むなどと捉えて、利下げを1会合または2会合前倒ししたと捉えることができます。
今後の政策金利は2025年末迄は会合毎に0.25%利下げが行われると考えているアナリストが圧倒的に多いなか、RBNZの総裁補佐を務めるKaren Silk氏はBloomburgのインタビューで賃金と物価の動向が今後の利下げペースの重要な鍵になると語っています。
現在みられている景気後退は、「完全に」といって良いほどに政策誘導なので、今後の継続利下げによる金融緩和はともすれば予想以上に早く景気が回復する可能性もありますが、これが早すぎるとまた物価が上昇やそれにともなう賃上げなどが発生してインフレ圧が再度高るリスクが生じるので、そうなりそうなデータが多く見られる場合は利下げペースも落とすと言うことです。
また今後は利下げ発表があるたびに話題になるであろう住宅市場関連ニュースですが、こちらも場合に寄ってはインフレ圧の再燃させる要因となる可能性があります。
ほとんどの人にとって人生で最も高額な買い物となる住宅ですが、ニュージーランドは記録的な移民流入だったにも関わらず、銀行の貸し渋りや高金利などにより不動産業界は低空飛行を続けています。物件購入の目的は自宅だったり投資だったり目的は違えど「今じゃない」というスタンスが一般的ななか、利下げが刺激となって活発な動きが見られるとRBNZが注意/対応が必要になってくる可能性があります。
ともあれ、一般的には利下げによる影響が経済指標にデータとして現れるまでには時差があるので、経済データの弱さは少なくとも年内は継続するのではないかと考えます。
これら1つ1つの経済指標の発表から、どのようなことが分かるのか? 個人の日常生活にどのようなインパクトを与えるのか?についてリストにまとめた下記記事も併せてご覧ください。
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