銀行電子決済が365日可能に

お金

ニュージーランドは、2023年5月26日からPayments NZ主導による新たな銀行電子決済システムの運用が開始されました。
これまで翌営業日まで待つ必要のあった週末や祝祭日の決済が、365日年中無休で同日処理されることになり、より迅速な支払い受け取りとキャッシュフロー改善が実現します。

つまり、土日祝祭日にネットバンキングやEftops端末を通じて企業が売り上げたお金を、翌営業日を待たずに受け取ることができることになったという事です。

さらに、サブスクリプションサービスや光熱費などの自動引き落としも、翌営業日を待つ必要がなくなるため、国内企業の99%を占める中小企業にとって資金回収の迅速化とキャッシュフロー改善という大きなメリットをもたらすことが期待されています。

支払う側の消費者は、自動支払いや口座振替などの銀行電子決済の設定確認を忘れずに

先に述べたとおり、自動支払いや口座振替など、従来は土日祝祭日は処理されずに翌営業日に決済されていた銀行電子決済も、これからは支払期日が週末や祝日であっても当日行われるようになります。

例えば、「土日や祝日を考慮して口座振込日を手動で設定している」場合や、「今月の自動支払い日が祝日なのでお金の移動は当日の夜に行う」等、今まで支払い期日が翌営業日に持ち越されていた決済も、これからは予定通りに行われますので、みなさんに影響がないか確認されることをおすすめします。

高額決済は対象外

不動産購入代金決済などの高額取引には今回の新システムは適用されず、従来どおりの運用(営業日のみ決済処理)となります。

高額=いくら?

ということで、具体的な金額をサーチしてみましたが、金額を明記している金融機関は見当たりませんでした。
必要な方はご利用の金融機関に直接ご確認されることをおすすめします。

ものかん
ものかん

企業が複数の従業員への支払いを一度に行う給与振込みも同日決済の対象外になっているようなので、高額の決済だけでなく、操作ミスによる誤振込がOoopsでは済まされない事態を防ぐとか、マネーロンダリングや詐欺に悪用されるのを防ぐといった意図が金融機関側にあると思います。

海外取引・送金はどうなるの?

海外送金も対象外と明記している金融機関もありました。

ものかん
ものかん

海外送金の場合は仕向銀行、被仕向銀行に加えて決済ごとの中継銀行の有無、所属国の規制等により処理能力が大きく異なるので、仮に今回の新システム導入で処理速度が上がっていたとしても、対象だと言い切るのは難しいとでしょう。

ただ、ニュージーランドに拠点のない金融機関も今回の決済システム導入機関として名が挙がっているので、国をまたいだ自行間の海外送金は恩恵を受けるのかも知れません。

リアルタイム決済への道

今回の新システムは、365日いつでも各金融機関が定めている即日処理対応が可能なカットオフタイムに準じて決済処理されるというものです。24時間いつでも支払いが行われると同時に資金の移動が行われ、受取人は即座に支払いを受け取ることができるリアルタイム決済とは別物なので、混同しないよう気をつけてください。


ANZKiwibank は決済処理時間を朝9時から深夜0時までと定めています。

つまり、この2行の場合は深夜0時から朝9時までの間に行われた電子決済は朝9時以降に処理されるし、ということなので、リアルタイム処理ではありません。

リアルタイム決済は次世代のフレームワークということで、Payments NZは2023年3月にreal-time capability programmeをアップデートし、取り組みと直近部分だけですがその大まかなスケジュールも公開しています。 興味のある方はリンクからご覧ください。

Payments NZ

365-day Paymentsシステム導入金融機関へのリンク

ご利用の金融機関が今回の決済システムを導入している方は、下記のリンクから各行が提供しているサービス内容をご確認ください。

Payments NZとは

ニュージーランドが世界トップクラスの決済システムを持つことを目的に決済業界により2010年に設立された株式会社。
ニュージーランドの中央銀行であるRBNZ(Reserve Bank of New Zealanad=ニュージーランド準備銀行)の支援を受けながら、ニュージーランドの決済インフラストラクチャとサービスに関するガイダンスの開発と提供、決済業界の業界標準の作成と推進、ニュージーランドの決済業界に関する研究の実施、決済業界の教育とトレーニングの提供などの活動を行っています。

株主構成はANZ 27%、Westpac 23% 、BNZ 19%、ASB 19%、Kiwibank5%、TSB Bank 3%、Citibank 2%、HSBC 2%(保有率は実際のものを四捨五入しています)

Payment NZのサイトはこちらから

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