ニュージーランドの主な経済指標の発表スケジュールをまとめました。
2024年5月6日月曜日- 第19週は以下が予定されています。
ニュージーランド:主要経済指標カレンダー
6日 | ANZ Commodity Price Index Apr | 4月 ANZ コモディティ価格指数 |
8日 | Global Dairy Trade Price Index | 3月 GDT価格指数 |
10日 | Business NZ PMI Apr | 4月 ビジネスNZ 製造業景況感指数 |
今週は大きく注目を集める経済指標の発表は予定されていませんが、あえてピックアップするなら10日の製造業景況感指数でしょうか。
3月の調査では、景況感の「好況」と「不況」の分岐点となる50を下回る47.1となり、年頭には改善が見られていた景況感が再度悪化していました。
これは「儲かってまっか?」に対して「ぼちぼちでんな」よりも、「厳しい」という類いの返事をする製造業者が増えたという事。
この悪いムードが4月はさらに悪化するのか、または少しでも改善ムードになるのかということですが、先週失業率は4%から4.3%に増加したとの発表があり、また今後も年内または来年初頭に5%を超える方向で推移していくことが予想される事や、値上げを計画している企業数が過去9ヵ月間、事実上高止まりしている事が判明したANZの企業調査などからすれば、景況感は改善してしているか?ではなく、どれほどさらに悪化しているかです。
前週のコメントで「消費者物価指数のデータからは年内の利下げ観測はより遠のいた」と書きましたが、ANZの企業調査を見ると、景気が悪いなかで値上げを検討している企業が多い=利益確保のために企業努力も策が尽きたのか、はじめから努力していないのか、いずれにせよコスト上昇を消費者に転嫁させる考えを持っている企業が多いという事で、RBNZの思惑に反してインフレ率の高止まりに繋がる可能性があるため、その場合、この先年内の経済回復どころか、より明確な景気減速が見られるかもしれません。
そうなると是が非でも景気減速を食い止めたいRBNZはより苦しい立場になり舵取りが一段と難しくなります。
早期利下げで景気に刺激を与えるべきだとする論と、利上げをして何が何でもインフレ率を低下させるべきとする論のどちらも主張を正しく見せる材料がある状態になりそうで、その場合、目立った発言をして注目を浴びようとする経済アナリストもでてくると思うので、「アナリストがこう言った」という類のニュースに振り回されないよう心がけたほうが良いかもしれません。
これら1つ1つの経済指標の発表から、どのようなことが分かるのか? 個人の日常生活にどのようなインパクトを与えるのか?についてリストにまとめた下記記事も併せてご覧ください。
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