NZのお金ドットコムでは、ニュージーランド市場で英語で募集される求人の中から、日本語力が必須または有利とされるもの、日本に関連する技術・知識・経験が求められる求人を独自に集計して公開しています。
前編では、2024年1月1日から12月31日までの間に当ブログで確認した342件の該当求人広告がどのような分布を見せているのか分析しました。

本編では、342件の該当求人広告のうち、どれほどの求人で給料額を提示しているのか?業界・業種ごとにいくらが平均提示額なのか?などをお伝えします。
ニュージーランドで日本語力や日本関連の知識を活かしたキャリアパスを検討する際にお役立てください。

該当求人広告とは、ニュージーランド市場で英語で募集される求人の中から、日本語力が必須または有利とされるもの、日本に関連する技術・知識・経験が求められる求人に絞っています。
ニュージーランドで日本語力や日本関連の知識を活かしたフルタイムの平均給料
はじめに、2024年に日本語力が必須または有利とされた求人および、日本に関連する技術・知識・経験が求められた求人(全342件)のうち、給与が明示されていた175件の中から、フルタイム求人(160件)に絞った平均給与をご紹介します
平均提示年収額は NZ$65,734 です。*
*時給提示の求人は週の労働時間を40時間とみなして年収に換算
2024年12月時点のニュージーランド全国平均年収はNZ$73,332だそうなので、比較すると約NZ$8,400(=$700/月)低いという結果です。
英語で募集されていたニュージーランド市場で日本語力必須・有利または日本関連の技術・知識・経験が求められたフルタイム求人のなかで給与額が提示されていた広告を集計したものです。
- 給料が時給で提示されている広告は、みなし労働時間を週40時間として年収を算出
- インセンティブなどの割合が多い営業職なども基本給のみを対象

給料額を「評価」として見るなら、日本語力および日本関連の知識・経験・技術はニュージーランドで評価されているとは言い難い状況です。
推測に過ぎませんが、
ビザの縛り(条件)で短期雇用でしか働けない人が多く、それが故に最低賃金に近い提示額でも人が集まりやすく、求職者の交渉力も弱くなりがちだなどと考えられますし、また企業が「成長」よりも「維持」を優先して最低限のコストで回すことを重視している可能性も考えられます。
経営者に目指しているのはどこか?と質問をストレートに投げれば、「成長」だと応じる方が多いと思いますが、現実として個人経営から企業経営へと成長を見るケースは多くありません。
成長を目指す企業であれば、投資が不可欠なので優秀な人材を確保するために高い給与を提示する可能性もありますが、目指した結果の成長ではなく、時間の流れの中で緩やかにお金がたまり、少しずつ拡大しているような場合は「最低限のコストで回す」ことが優先されがちです。
また日本語および日本の関連知識・経験・技術を求めるという事は現場仕事である場合が多く、経営層やマネージメント層の仕事にこれらのスキルが求められる事は稀であるが故にキャリアパスをみても高い給与に結びつくことも少ないと考えられます。
次ページ:業界別の平均給料提示額 (中央値)をみていきます