ニュージーランドの主な経済指標の発表スケジュールをまとめました。
2024年10月21日月曜日- 第43週は以下が予定されています。
ニュージーランド:主要経済指標カレンダー
22日 | Trade Balance Sep | 9月 貿易収支 |
24日 | RBNZ Gov Orr Speech | RBNZ(Reserve Bank of New Zealand/ニュージーランド準備銀行) Orr総裁公演 |
25日 | ANZ Roy Morgan Consumer Confidence Oct | 10月 ANZ ロイモーガン 消費者信頼感指数 |
先週、第3四半期(7-9月)の消費者物価指数(CPI)が発表され、期間中の物価は0.6%上昇、年間インフレ率は2.2%(前期比‐1.1%)と報告されました。
どういうことかというと、
物価(物やサービスの値段)が上がり続ける(=インフレ)なかで、中央銀行はインフレを抑えるために少し前まで利上げを続けていたということです。
利上げをすることで住宅や車のローン、事業融資などの借金返済額が増えると、消費者や企業が自由に使えるお金が減り、その結果、物やサービスが売れにくくなり価格も上がりにくくなる、という経済のメカニズムがあるからです。
利上げ政策の効果により、価格上昇のスピードが緩和されてきたのですが、金利が高止まりしたことで、企業の資金調達コスト(借金した際の返済額の大きさ)も高まり、また消費者の財布の紐が固くなり経済活動の停滞が見られていました。倒産や失業リスクが拡大し続けて悪影響が深刻化する前に、中央銀行は金利を引き下げ、消費や投資を再び活発化させようとしています。
その状態を把握するための一つの重要指標が消費者物価指数(=CPI: Consumer Price Index)です。
今回発表された第3四半期(7-9月)はコスト圧力が緩和していることが確認できた朗報であることは間違いないものの、内訳を下記のグラフで見ると赤い線のTradables(貿易財)が急速な低下を示しているのに対して、黒い線のNon-tradables(非貿易財)は非常に緩やかな減速であることが一目瞭然です。
Non-tradables(非貿易財)の長期平均は~3%であることからも、現状では「依然として高止まりしている」と表現してもさほど驚かない状況であることが明白。
これらの現状から多くの金融機関は11月にも0.5%の利下げを実施するとの見方が大勢を占めています。
やや怖さを感じるのは、中央銀行による継続利下げを市場が既に織り込んで(そうなるであろうと見越して/リスクをとって)先行的に動いていること。
見えやすい例でいうと銀行の住宅ローン下げ合戦。
先行的な動きが過度に進むと中央銀行がインフレ目標としているインフレ率2%台を下回っていく可能性が生じます。
これら1つ1つの経済指標の発表から、どのようなことが分かるのか? 個人の日常生活にどのようなインパクトを与えるのか?についてリストにまとめた下記記事も併せてご覧ください。
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