ニュージーランド経済 第41週 2024年10月7日

今週の主なニュージーランド経済指標 経済

ニュージーランドの主な経済指標の発表スケジュールをまとめました。
2024年10月7日月曜日- 第41週は以下が予定されています。

9日RBNZ Monetary Policy ReviewRBNZ政策金利
11日Business NZ PMI Sep9月 Business NZ 製造業景況感指数
REINZ House Sales Sep9月 REINZ 住宅販売価格
Food Price Index Sep9月 食品価格指数
Net Migration Aug8月 移民純増数
ものかん
ものかん

先週発表された第3四半期NZIERビジネス景況感を一言でまとめるなら、「緩やかな改善の兆しは見せているものの依然として経済は低迷」という状況でした。

需要が少なく売上もたたないなか、昨年までは深刻な人手不足により雇用のパワーバランスは完全に売り手が強い状態でしたが、今は労働力の余剰が世界金融危機(2007年に顕在化したサブプライム住宅ローン危機を発端としたリーマン・ショックと、それに連鎖した一連の国際的な金融危機)以来最大となっています。

これが意味するところは第4四半期は失業率の大幅な上昇が予測できるという事で、失業者の増加=需要のさらなる減退=消費者物価指数の低下といった具合に負の連鎖が予測されます。
辛辣な物言いになりますが、現在の立ち位置を俯瞰して、会社に貢献できていないと自ら感じている方や、会社がファイナンスの面で危ういと感じる方、ワークビザを発行してもらっている方やワーホリビザなど外国人労働者という、場合によっては「切られやすい」立場にいる方などは、6ヶ月程先を見据え、必要とあれば行動する決断の指針を持つと良いかもしれません。*第3四半期NZIERビジネス景況感では、来年景気は回復してくるという楽観的な見方が回復してきていることも併せて記しておきます。

経済の負の連鎖を断つために必要なことは当然一つではありませんが、極めて重要なのが今週9日水曜日に発表が予定されているRBNZ(Reserve Bank of New Zealand/ニュージーランド準備銀行=日本の日銀に相当するニュージーランドの中央銀行)の金融政策発表です。RBNZが利下げを行えば、ローンを抱える企業や個人の返済額が順次緩やかになり、使えるお金が増える事となり、ざっくり言えば、景況感の改善 ‐ 需要改善 ‐ 雇用改善 ‐ 景気回復 も期待できるという流れです。

政策金利の利下げは‐0.25%または‐0.5% どちらになるか?
第3四半期NZIERビジネス景況感が公表された後の書かれたブルームバーグの記事によると、同社が調査したエコノミスト17名中一13名が0.50%の利下げを予想しています(17名がどこの誰なのか明記なし)。
またニュージーランドの5大銀行の見方は下記のようになっています。

ANZ:0.50%の利下げ(ただしどちらにも転ぶ可能性有)

ASB:0.25%の利下げ (ただしどちらにも転ぶ可能性有)
BNZ:0.50%の利下げ (ただしどちらにも転ぶ可能性有)
Kiwibank:具体的な予想コメントなし
Westpac:0.50%の利下げ (2回連続(= 10月9日と11月27日)‐0.5%を予測 )

また前回のRBNZ政策金利発表時、大方の予想が「据え置き」だったなかで-0.25%の利下げを予測したNZIERのShadowBoard影の委員会はどう考えているのか?が本日リリースされています。
これによると、今回の利下げは0.25%か0.5%かで意見が真っ二つに分かれたそうで、どちらになるという明言はされませんでした。見解は下記の通り。
0.5%の利下げ派:経済の低迷が続き、過剰設備が増加していることを懸念。またヘッドラインインフレとインフレ期待の緩和を理由により緩やかな金利設定。
0.25%の利下げ派:非貿易財のインフレに上振れリスクが残っているので今回は0.25%の方がより適切。

皆さんは、今回の政策金利はどの様になると思いますか?ぜひ予測してみてください。

これら1つ1つの経済指標の発表から、どのようなことが分かるのか? 個人の日常生活にどのようなインパクトを与えるのか?についてリストにまとめた下記記事も併せてご覧ください。

ニュージーランド経済指標リスト: 意味と生活への影響
ニュージーランドの経済を探る鍵となる主要な経済指標を英語と日本語で一覧にしました。これらの指標が何を意味し、日常生活にどのような影響を与えるか、ぜひチェックしてみてください。経済動向を読み解き、より賢い金銭計画を立てる手助けになります。

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