[お金] 4月1日 最低時給7%UP $22.70に。

お金

2023年4月1日から、ニュージーランドで働く成人の最低時給(Adult minimum wage)が従来の$21.20ドルから$1.50ドルあがり、$22.70ドル(税引前)になります。

ニュージーランド企業・技術革新・雇用省が公開している資料によると、毎年4月1日に最低時給が上がっていることがわかりますが、その中でも今回の上げ幅1.50ドルは2013年以降最大の上げ幅となるようです。

4月1日以降は以下のようになります。ご確認ください。

Adult minimum wage:成人最低賃金16歳以上の全従業員Starting-out(初任給) およびTraining (研修) の賃金は従来どおりAdult minimum wage(成人最低賃金)の80%
Starting-out:初任給16-17歳1つの雇用主で6ヶ月間勤務した後は、Starting-out (初任給)労働者ではなく、成人最低賃金を受け取れる。(雇用主は6ヶ月間勤務した後は、成人最低賃金を支払わなければならない)
18-19歳生活補助 (social security benefits) を6ヶ月以上受給しており、その期間中についた職を6ヶ月間継続できていない人。*1つの雇用主のもとで6ヶ月間継続雇用された後は、成人最低賃金以上を受け取れる。(雇用主は6ヶ月間勤務した後は、成人最低賃金を支払わなければならない。)
該当する生活補助 (social security benefits) はこちらのサイトでご確認ください。
16-19歳16歳から19歳の従業員で、雇用契約書に、「年間40単位以上の業界トレーニングを受け、資格を取得すること」と記載されている人。
Training:研修20歳以上雇用契約書に、「自分が働いている分野の資格を取得するために、年間60単位以上の業界研修プログラムを受講すること」と記載されている人。

間違いやすいポイント
Training枠の該当者は、業界又は国により承認されている業界トレーニングのプログラムを受ける従業員にのみ適用されます。

日本で言うところのインターンや実習生、見習いなどと表現されるポジションで、雇用主、上司、先輩などから研修・トレーニングを受ける従業員は、このTraining枠に該当しません。

該当者は、他の従業員と同様に雇用法上の最低限の権利と保護を受けますが、成人最低賃金対象とならず、Training枠の賃金が支払われる場合があります

企業内で従業員のトレーニングを専門に行うような職(例えば監督役や講師役など)につく従業員もTraining枠は適用されません。

Starting out (初任給)期間 6ヶ月の計算方法は?

  • 従業員の最初の勤務日から次の 6 か月間で計算される
  • 従業員が週に働く時間数は関係なし
  • 休暇期間も含めて計算される(有給休暇・無休休暇を問わず)
  • 従業員が16歳の誕生日を迎える前から勤務していた場合はその期間も計算に含める
  • Staring Out枠に該当する年齢の従業員が新しい雇用主に移った場合、最初の 6 か月間は再びStarting Outの従業員になる(Staring Out枠は新しい雇用主ごとに適用される)

2023年4月1日はもうすぐ

今回の最低時給アップの恩恵を受ける方の中には既に雇用主から通知を受けている方も多いかと思います。逆に、現時点で通知を受けていない方は、確認の意味も踏まえて雇用主に話を振とよいかと思います。お務めされる企業のホワイト、ブラックが見えてきますね。

ものかん
ものかん

NZ政府は直近の2023年1月25日に発表された2022年第4四半期の消費者物価指数が7.2%と約30年ぶりの高水準で高止まりしていることを挙げ、生活費を稼ぐために最も苦労している人たちを支援することが重要だとコメントしています。

NZ法人の97%は従業員100名以下の中小企業だという事実に加え、ザルな経理をしているところも多いというのが実感値。会計年度末が3月の企業については今回の上昇を次年度予算に組み込めている中小企業がどれほどいるのか疑わしく、予算に組み込めていないのなら、このコストは企業努力で賄うことなく、あっさり商品やサービス価格に転嫁させることが容易に想像できます。賃金上昇分のお金も個人の懐を温める暇なく生活費として流れ出ていくなら景況感の改善にもつながらないんじゃないかなぁ。

本稿執筆時の情報を基にまとめています。記載内容には万全を期していますが、情報の劣化も含め正確性を保証するものではありませんので、記載に誤りを見つけた方はぜひご一報ください。内容を確認の上、適宜訂正することで皆さんの有益な情報ソースとしてあり続けていきたいと願っています。

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