ニュージーランドの主な経済指標の発表スケジュールをまとめました。
2024年4月29日月曜日- 第18週は以下が予定されています。
ニュージーランド:主要経済指標カレンダー
29日 | Employment Indicator Mar | 3月 雇用指数 |
30日 | ANZ Business Confidence Apr | 4月 ANZビジネス景況感指数 |
1日 | RBNZ Financial Stability Report | RBNZ 金融安定報告書 |
Unemployment Rate Q1 | 第1四半期 失業率 | |
Labour Cost Index Q1 | 第1四半期 雇用コスト指数 | |
2日 | Building consents Mar | 3月 建築許可件数 |
プライベート・パブリックそれぞれのセクターで人材削減のニュースが流れる昨今、30日に発表予定のANZビジネス景況感(企業に過去と今後それぞれ3ヶ月間の売上、利益、雇用、投資、価格等に関する調査を行い、企業の景況感と将来の展望を把握)で、経済状況に改善が見られることは期待できず、雇用状況の改善も見込めないと考えられます。
5月1日発表予定の第1四半期の失業率でも、大方の事前予想は4.2%または4.3%に増加。また、ここ数カ月間の雇用の伸びを見ても人口増加率を下回っていることから、1年前の2023年5月に当ブログで記事にしている、The Treasury (ニュージーランド財務省)が予想した「2024年後半に失業率が5.3%に悪化し、2016年12月以来の高い(=悪い)失業率になる」が、極めて現実味の高い話になっていて、それは従業員が雇用の安定性に懸念をいだきやすい状況が続く事をも意味しています。
そうなると、(他にも多くの要因があるものの)離職率は下がり、企業への賃上げ圧力も弱まり、給与が増えなければ財布の紐も固く家計支出も減り、国のGDP成長率も低調に推移する事が予想できます。
現在までの各種経済指標をみて、いち消費者の視点で一言にまとめるなら「年内から来年にかけて家計は厳しい状況が続きそうだ」となりますが、国の視点では、家計は値上げや利上げで支出が増えているが管理可能な水準にとどまり、コロナ禍前に戻せそうだという感じかと推測します。
住宅ローンの大幅な上昇などで苦しまれている方もいますが、ローンについても国の見え方は、2019-2021年にかけてが歴史的低水準だったのであり、そちらの方を特異な状況だったと捉えていると思います。近年は極めて大幅に利上げが実施されたという見え方(実際にその通りなのですが)になっていますが、来年からはコロナ禍以前、長期にわたり安定的な水準として推移していた5.5%‐6.5%前後に落ち着かせることを見込んでいると思います。
これら1つ1つの経済指標の発表から、どのようなことが分かるのか? 個人の日常生活にどのようなインパクトを与えるのか?についてリストにまとめた下記記事も併せてご覧ください。
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