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代表は金メダル、プロリーグは存続の危機―NZネットボールに見るスポーツ経営の難しさ

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ネットボールとは、ボールをドリブルせずパスだけでつなぎ、リングへシュートして得点を競うスポーツです。

現在のネットボールにつながる競技は1895年に英国で初めてプレーされ、その後、英連邦諸国を中心に広がりました。ニュージーランドには1906年、「Women’s Basketball」として入ってきたそうです。

そのNZネットボール代表チームSilver Fernsが、2026年8月、4年に一度のコモンウェルス大会で金メダルを獲得!

決勝ではジャマイカを56-48で破り、NZとしては2010年以来16年ぶり3度目の優勝。しかも大会を無敗で終えての金メダルでした。

ネットボールは日本ではかなりマイナーなスポーツですが、ニュージーランドでどれほど身近な競技なのかは、次の4枚の画像を見てもらうと、何となく想像していただけるかと思います。

NZで暮らしていると、学校でネットボール用のゴール――バスケットボールのバックボードがない、あのリングを見ない方が珍しいくらいです。

公共施設にもネットボールコートがあり、専用施設になると何面ものコートがずらっと並んでいます。

Auckland Netball Centre
Minogue Park, Hamilton

より一般的な公園でも、バスケットゴールと一体化し、回転させてネットボール用に切り替えられるものを見かけます。

普通のスポーツ用品店へ行けば、自宅に置ける移動式ネットボールゴールが200ドル前後で普通に売られている。

それくらい、ネットボールはNZの日常に入り込んでいるスポーツです。

そんな国の代表チームが4年に一度の国際大会で金メダル。

ポスターに ”A NATION’S PRIDE” – 国の誇り と書くほど悲願だった16年ぶりの金メダルです。

普通なら、NZネットボール業界にとってかなり景気のよい話ですが、

その直前に出ていた業界のニュースは選手のモチベーション下げるだけでなく、プロとしてのキャリアを岐路に立たせるような内容でした。

それは

2027年について、現在の国内最高峰リーグを休止する案だけでなく、現在のプロリーグからアマチュア大会へ縮小する案まで検討しているというもの。

理由は、NZ国内最高峰リーグのANZ Premiershipが2026年に約370万NZドルの赤字を出す見込みだから。Netball New Zealand(以下、NNZ)は準備金を取り崩して穴埋めしています。

https://www.1news.co.nz/2026/07/24/anz-premiership-to-post-37m-loss-as-future-clouded-in-doubt/

NZ代表は金メダル。

なのに、その代表選手たちがプレーする国内最高峰リーグは、来年なくなるかもしれない。

これは、選手たちの心中、察するに余りあるものがあります。

目次

ネットボールそのものが人気を失っているわけではない

では、NZでネットボール人気が落ちてしまったのかというと、数字を見る限り、そういう話では全くないようです。

NNZの2025年Annual Reportによると、加盟選手数は14万9,930人。Grassroots(草の根)といわれる、地域のネットボールクラブは前年比2%増で、Secondary school(中等教育)の登録も5%増えています。

さらに興味深いのが、ANZ Premiershipを見る人も減っていないことです。

2025年は平均ライブ視聴者が前年比33%増。2023年と比べると100%増。

え、むしろ増えているのか!?

それだけでなく、ANZ PremiershipはNZで最も視聴されている女子スポーツリーグだとも言ってるんです

たしかに、Annual Reportの冒頭には「TV Audience 1.59M」という、人口530万人ほどの国としてはかなり大きな数字も掲載されています。

ものかん

この159万人がANZ Premiership単独なのか、Silver Fernsなどを含むNNZ全体なのかは資料上明確ではないため、ここでは言及できませんが、いずれにせよ、競技人口も、観戦者も共に増えていることは間違いなさそうです。

競技人口は増えている。

リーグの平均ライブ視聴者も増えている。

それなのに、2026年にはANZ Premiershipが約370万NZドルの赤字見込みで、2027年のプロリーグ存続すら危ぶまれているのですから、「人気が落ちて経営が苦しくなった」という説明は成り立ちません。

見る人が増えても、放映権で儲かるとは限らない

Annual Reportやニュース記事を読んでみて、マネタイズの難しさが分かりやすく表れているなと感じたのが、放送をめぐる収益構造です。

ANZ Premiershipは2017年から2025年まで有料TVのSkyが放映権を持っていましたが、2026年から政府所有の商業放送局TVNZ*へ移っていました。

TVNZは100%NZ政府が所有するテレビ局ですが、一般的な民放局と同様に広告収入などで商業運営しているので、日本のNHKのような「受信料を主財源とする公共放送」とは違います。
あえて言うなら、国営ではなく、国有テレビ放送局といった感じでしょうか。

視聴者からすれば、これはかなり良い話です。
有料のSkyに加入しなくても、無料で試合を見られるようになったわけですから、当然リーグの露出も増えることが期待できますし、実際、2026年のANZ PremiershipはTVNZ 2だけで100万人以上にリーチ。TVNZ+でも16万9,500アカウントが視聴し、シーズンを通じて86万8,700回以上ストリーミングされています。

https://anzpremiership.co.nz

それなのに

なんと、NNZはTVNZから大きな放映権料を受け取る側ではなく、逆に試合を放送するための制作費を負担していると報じられています。

報道された推定額は60万~70万NZドル。

NNZ自身はこの金額自体について明言していませんが、放送制作費へ投資していることは認めています

これは、かなり大きな変化です。

プロスポーツなら、理想を言えば試合そのものが放送局にとって「お金を払ってでも欲しいコンテンツ」になる。
それが、ANZ Premiershipは、広く見てもらうためにリーグ側が自らお金を出す側に回っている。

つまり「TVNZがNNZに放映権を払い、TVNZはCMスポンサー等を見つけて回収する」という構図になっていないわけです。

この場合、159万人が見たとして、視聴者を増やし、ファンを増やし、競技人口も増やすためのマーケティング効果は一定の成功を収めていると言えても、その159万人をもう一段上のサポーターにして、個人・法人を巻き込み、収益を生むためのマネタイズを具体的にどうやるのかまでの道筋がないと、投資に対して収益の効果は得にくい。

企業で例えるなら、マーケティング部が大量のリード獲得に成功したのに、営業側で十分にクロージングできていないような状態。お金を使って人を集めたのに、投じた額を上回る売り上げに変えられていないという事です。

NNZ全体の数字を見ると、この「マネタイズ」の苦戦がより分かりやすくなります。

  • 2025年の放映権とスポンサー契約収入:前年約1,500万NZドル →約1,178万NZドル(約322万NZドル減)
  • NNZ全体収入:約2,904万NZドル →約2,303万NZドル(約601万NZドル減)

さらに8月の報道では、NNZ全体の2026年度損失が最大約600万NZドルに達する事も示されています。約370万ドルは、そのうちANZ Premiership運営によるものです。

つまりネットボール人気に陰りが見えてきているのではなく、その人気をスポンサー料や放映権、チケット収入などに変えて、プロリーグを維持できるだけの売上を作るビジネスの部分がうまく回っていない。

こう見た方が実態にかなり近そうです。

では人口530万人のNZでプロスポーツは無理なのか

ネットボールの現状だけを見ているとNZのような人口の少ない国でプロスポーツビジネスは厳しいのでは??と考えたくもなりますが、NZにはラグビーがあります。

New Zealand Rugby(NZR)の2025年収入は、過去最高となる3億420万NZドル。

最終損益では750万NZドルの赤字でしたが、調整後営業利益は70万NZドルで、スポンサーや試合関連の商業収入も伸びたようです。

NNZの年間収入約2,300万NZドルとは、そもそもの事業規模が桁違いなので、もちろん、NZR全体とANZ Premiershipという一つのリーグをそのまま比較することはできません。

ラグビーだって、すべての大会やチームが順調に儲かっているわけではないようですが、それでもNZ Rugbyには、All Blacksという強烈な武器があります。

All Blacksの市場は、NZ人口530万人だけではなく、

  • 海外で試合をする
  • 海外で放映する
  • 世界企業からスポンサーを取る
  • ユニフォームやグッズも海外で売る

という、世界で売れるブランドを構築しており、実際、NZR自身が2025年の収益について、All BlacksやBlack Fernsブランドの国際的な価値が商業収入の成長につながったと説明しています。

そう考えると、NNZの問題も、人口530万人そのものではなく、「530万人の外へどう売るか」という、NZ企業がいつも抱える問題が、そのままネットボールにも突きつけられているように見えてきます。

サッカーのAuckland FCも、NZだけで商売をしていない

「530万人の外へどう売るか」という課題をNZサッカーを通じて見ると、さらに分かりやすいです。

元日本代表のDF酒井宏樹選手が所属しているAuckland FCはニュージーランドのプロサッカーチームとして豪州リーグ(A-League)参入初年度となった2024/25シーズン、ホームで行われたレギュラーシーズン13試合だけで23万5,316人を集めました。

平均すると、1試合約1万8,100人です。

2024年12月のWellington Phoenix戦では26,253人を集めて、「sold out」と発表しているので、、約2万6,000人規模のスタジアムを、シーズン平均でざっくり7割ほど埋めた計算になり、観客動員だけを見るなら、初年度からかなり成功していると言ってよいと思います。

しかし、NNZの実例が示すように、観客席が埋まっているからと言って、Auckland FCが黒字なのかは分からず、これだけでは単純にNZではラグビーの他に、「サッカーもビジネスになる」とは言えませんが、ただネットボールのANZ Premiershipとの大きな違いが1つがあります。

それは、Auckland FCは、NZ国内にホームを置きながら、人口約2800万人のオーストラリアが主戦場であるA-Leagueで戦っているという点です。

一方、ネットボールのANZ Premiershipは現在、NZ国内6チームだけで戦う国内最高峰のプロリーグです。

しかも、NNZによると2016年までは豪州との越境リーグ「ANZ Championship」があったそうなのです。
それが終了し、2017年からNZ側はANZ Premiership、豪州側はSuncorp Super Netballに分離されたようです。

ここはかなり重要だと思います。

ものかん

2016年当時の人口で見ると、豪州は約2,419万人、NZは約470万人。
合わせて約2,890万人の市場から、NZ単独約470万人の市場へ移ったことになります。単純な人口規模だけなら、NZ側の潜在国内市場は従来の約16%、およそ6分の1です。

もちろん、

「人口が84%減ったからスポンサー価値も84%減った」

とまでは言えませんが、スポンサー視点でいえば、豪州とNZをまたぐリーグからNZだけのリーグへ変わったことで、潜在的な国内市場が大幅に小さくなったこと自体は間違いありません。

「NZは人口が少ないからプロスポーツは無理」というより、越境リーグから独自の国内リーグに移行して潜在国内市場が約6分の1に縮小したのを経験したのち、「国内市場だけで完結するプロリーグをどうやって成立させるのか」、に苦心してきているように見えます。

「ネットボールだから儲からない」も正解ではない

そもそも、ネットボールという競技自体に商業スポーツとして限界があるのか?

という疑問も浮かびますが、これも、2017年から分離した豪州側のSuncorp Super Netballを見るとそうではなさそうな事が分かります。

Netball Australiaの年間収入は、2024年の4,542万豪ドルから2025年には5,076万豪ドルへ増加。

シーズン観客動員も38万6,455人で過去最高を更新していました。

Grand Finalの視聴者も前年比60%増となり、Kayo SportsとFoxtelではSuper Netball史上最多視聴を記録しています。

ただし、ここで「豪州は黒字拡大」と書くのも正確ではなく、Netball Australiaは2025年、3年連続の黒字のあと、成長投資を優先した結果として35万豪ドルの小幅な営業赤字を計上しています。

つまり、NZと豪州で違うのは「人気が伸びているかどうか」ではありません。両国とも、競技登録や視聴は伸びています。

それでもNZでは国内プロリーグが約370万NZドルの赤字。

豪州では総収入を伸ばしながら、リーグ拡大、デジタル、マーケティング、選手報酬などへ追加投資する余地まで作っている。

となると、「ネットボールだから」で片づけることもできません。

プレーする人、見る人はいる。でも「買う人」は足りているのか?

ここまで見てくると、ANZ Premiershipが抱えている問題が少し見えてきます。

  • NZにはネットボールをプレーする人がたくさんいる
  • テレビなどで観戦する人もいる
  • 代表は国際大会で金メダルまで獲っている

でも、プロスポーツの興行運営はそれだけでは足りない。

→ 観客がお金を払って会場へ行く
→ テレビ局がお金を払って放映権を買う
→ 企業がお金を払ってスポンサーになる
→ グッズを買う人がいる

そうやって初めて、「人気」が事業になります。

ANZ Premiershipの場合、プレーする人気と、見る人気はかなりある。

でも、リーグを維持できるだけのマネタイズで苦しんでいる。

Netball Australiaの収益構造を2024年Annual Reportからひも解くと大きく分けて;

  • 放送+スポンサー
  • リーグ興行
  • 代表戦などのイベント

の3本柱が収入源であることが分かります。

そして豪州ネットボールは、先に例を挙げたNZラグビーやAuckland FCと同じく、国内だけで終わらせていませんでした。

これは、豪州市場2800万人がなせる業なのかというと、100%そうとは言い切れないようです。

2025年のSuncorp Super Netballは、女子スポーツ専門のグローバルTVネットワークAWSN、24時間スポーツチャンネルUnbeaten、ネットボール専門ストリーミングサービスNetball Passなどとの提携によって、120か国以上で視聴できる体制を構築しました。

Grand Finalでは、これら海外配信網を合わせた潜在的な国際リーチが3億人規模*。
*「3億人が見た」という意味ではなく、Grand Finalを見られる環境にいる人が3億人規模です。

実際の2025年シーズン全体の世界視聴は、全プラットフォーム合計で500万超とNetball Australiaは説明しています。

そして豪州国内でも、Grand Final視聴は前年比60%増。FoxtelとKayo SportsではSuper Netball史上最多視聴となったそうです。

対してNZでは、国内で広く見せるためにリーグ側がお金を負担してテレビ放送を確保している。

同じ競技で、両国とも人気は伸びている。

なのに一方は収入を増やしながら海外市場まで広げ、一方はリーグ存続の危機。

ここまで見てきた中で、差があるとすれば、「人気」そのものより、人気をいくつの収益源に変えられるかです。

競技として社会に根付くことと、その競技をビジネスとして成立させることは、かなり別の話だという事がよく分かる事例です。

NZ国内で育った選手の今後

リーグ存続の危機で気になるのが、選手の動向。

どうなるか決まるまで立場が宙に浮くわけですが、多くのNZ人有力選手がメディア露出の多い豪州ではなく、NZのANZ Premiershipに留まってプレーしていた理由に、これまでNNZには、海外リーグでプレーする選手をSilver Fernsの代表選考対象から外すルールがあった事が大きな理由だったはずです。

「それがSilver Fernsへの唯一の道」として縛っていたと捉えられてもおかしくないルールですが、そもそもプロリーグ自体が存続の危機とあり、2026年、NNZはこのルールを変更し、海外リーグでプレーする選手も、Silver Fernsの代表選考対象に残れるようになりました。

これは事業としてみると、「負のスパイラル」に入っているような流れです。

国内リーグの先行きが不透明になり、より良い待遇を求めるトッププロ選手が豪州へ移るのは言わば自然の流れ。そうなれば、当然、ANZ Premiershipそのものの商品価値にも影響し、ますますスポンサー探しが難しくなる。

その一方で、トップ選手を獲得する豪州リーグはさらに強く、そして魅力的なスポーツコンテンツになる。

極端に言えば、NZが選手を育て、豪州がその選手をプロスポーツとして商品化するような構造にもなりかねません。

↓リーグの収益が落ちる
↓選手待遇を維持できなくなる
↓選手がより大きな市場へ移る
↓国内リーグの商品価値がさらに落ちる。

この負のスパイラルに、既に陥りかけていてかなり危うい。というのが私の見立てです。

日本のネットボールは、まだ「普及」という別の段階

ここで少しだけ日本にも目を向けてみたいと思います。

まず、日本でネットボール自体を知っている人は、まだかなり少ないと思います。
とはいえNZや豪州には、留学、ワーホリ、移住などで毎年多くの日本人がやって来ます。

現地で暮らしていると、日本ではまず見かけないネットボールコートをあちこちで目にします。

ホームステイ先の子どもの試合を見に行く。
移住して、自分の子どもが学校やクラブでネットボールを始める。

そんな形でNZに来て初めて「ネットボール」という競技を知った日本人も少なくないと思います。

日本にもネットボール協会があり、1999年から日本選手権を開催しています。

男女混合のJapan Open Mixなどの大会もあり、

大会の告知も、「そもそもネットボールとは?」にスポットが当てられている。

また、日本代表「つばきJAPAN」を編成して国際大会にも出場するなど、競技の普及と強化が進められているようです。

ただ、日本ネットボール協会が現在の国内競技人口を具体的な数字として公表している資料は、今回確認できませんでした。

少なくとも、国民的な競技の一つとして広く定着し、代表戦や国内リーグに多くの観客・視聴者が集まるNZとは、まだ立っている場所が大きく違います。

日本では、まず「ネットボールという競技を知ってもらい、プレーする人を増やす」ことが大きな課題の一つ。

一方のNZは、そのはるか先まで進んでいます。

競技人口が多く、代表は世界トップクラス。テレビで試合を見る人も多い。

それでも今、「国内リーグを持続可能なプロスポーツとして成立させる」という別の壁にぶつかっています。

日本ネットボール協会が将来的にどのような競技構造を目指しているのかは、今回確認した資料だけでは分かりません。

ただ、NZの現状を見ていると、一つ興味深いことが見えてきます。

「競技を普及させること」と「その競技をビジネスとして成立させること」は、まったく別の課題だということです。

代表が強くなれば、自然にスポンサーが増える。

競技人口が増えれば、自然にプロリーグができる。

観客が増えれば、自然に儲かる。

どうやら、スポーツビジネスはそれほど単純ではありません。

NZネットボールが今直面している問題は、日本から見ればまだずっと先の話かもしれません。

しかし、競技を育てたその先に何があるのかを考えるうえでは、かなり興味深い先行事例だと思います。

金メダルは、ANZ Premiershipを救えるか

Silver Fernsが金メダルを獲ったタイミングは、NNZにとってこれ以上ない追い風です。

代表への関心が国内リーグにも流れれば、観客が増えるかもしれない。

新しいスポンサーが入るかもしれない。

TVNZで無料放送していた今だからこそ、新しくネットボールを見る人をANZ Premiershipへ取り込めた可能性もあります。

でも、NNZ全体で11月末までに約600万NZドルの損失が見込まれる状況はかなり重い。

金メダルを獲ったことと、その金メダルをどう事業収入へつなげるのかは別です。

実際、この状況をビジネスチャンスと見る民間側の動きも出てきました。

NZの実業家にしてサッカーのAuckland FCの共同オーナーでもあるAnna Mowbray氏と元All BlacksのAli Williams氏が民間資本を入れた新たな国内ネットボールリーグを2027年から立ち上げる案をNNZへ提案しています。

https://www.1news.co.nz/2026/08/14/anna-mowbray-and-ali-williams-propose-fast-tracked-new-netball-league

しかも2人が持ち込もうとしているのは、単なる資金援助ではありません。

Auckland FCで使ってきた商業戦略やファンエンゲージメントの手法をネットボールにも持ち込み、リーグ運営そのものを民間側へ移す構想です。

個人的には、これから創設3シーズン目を迎えるAuckland FCで使ってきた商業戦略やファンエンゲージメントの手法が果たしてどこまで「成功モデル」と呼べるのかは、かなり未知数だと思っていますが、それでも、NNZが現在の運営モデルで行き詰まる中、外部から「別のやり方で事業として成立させよう」という提案が出ていることは興味深いです。

事実として、NZではネットボールをプレーする人がいて、見る人もいて、代表も勝っている。
それでもプロリーグは存続危機。

ここまで条件が揃ってなお経営が難しいのなら、問題は競技そのものではなく、人気コンテンツをどう事業として成立させるかにある。そう考えるのが自然だと思います。

「人気スポーツ」と「儲かるスポーツ」は同意語ではない。
NZネットボールが今直面しているのは、まさにその違いをどう埋めるかという、かなり純粋なスポーツビジネスの問題なんだと思います。

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この記事を書いた人

ニュージーランド在住20年以上。
現地の生活、仕事、お金、ビジネスに関する情報を、実体験と一次情報をもとに発信しています。

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