NZの9月物価は一様でない|ガソリン24.3%上昇、CPIとの違い

Stats NZが2026年10月16日に公表した9月の選定価格指数(Selected Price Indexes、SPI)では、食品全体は前月比横ばいだった一方、食料品は前年同月比3.0%、ガソリンは24.3%上昇しました。数字の幅が大きく違うのは、品目ごとの動きが異なるためです。ただし、SPIは消費者物価指数(CPI)全体ではありません。何が分かり、何は分からないのかを分けて見ます。
9月は食品全体が横ばい、食料品は前年比3.0%上昇
Stats NZの月次データを前月比で見ると、9月の食品全体は8月から0.0%でした。一方、スーパーなどの食料品(Grocery food)は0.7%上昇しています。食品全体の数字だけでは、内訳の動きが見えません。
前年同月比では、食品全体が2.4%、食料品が3.0%上昇しました。月次の「前月からの変化」と、年次の「前年同月からの変化」は比較する期間が違います。0.0%の前月比は、食品価格が前年と同じ水準という意味ではありません。
燃料・電気は食品より大きく上昇
同じ9月のSPIでは、ガソリンが前月比6.4%、ディーゼルが7.8%上昇しました。前年同月比では、ガソリンが24.3%、ディーゼルが55.8%、電気が9.5%上昇しています。
- 食品全体:前月比0.0%、前年比2.4%
- 食料品:前月比0.7%、前年比3.0%
- ガソリン:前月比6.4%、前年比24.3%
- ディーゼル:前月比7.8%、前年比55.8%
- 電気:前月比0.6%、前年比9.5%
これらはStats NZが示した各品目の価格変化率です。前年からの上昇率が大きい品目があっても、その数字だけで各家庭の支出額や負担増を計算することはできません。実際の影響は、何をどれだけ購入・利用するかによって異なります。
SPIはCPI全体を示す数字ではない
SPIは、食品、家賃、燃料、航空運賃、宿泊など、家計が購入する品目の一部について、月ごとの価格変化を示す指数です。Stats NZの資料によると、食品価格指数や家賃価格指数などをまとめたもので、CPIの全品目を網羅する月次版ではありません。
そのため、「ガソリンが前年比24.3%上がった」ことを、物価全体が同じ率で上がったと読むことはできません。また、四半期CPIの指数値は、対応する3か月分のSPIを単純平均した値ではありません。SPIの品目別の動きから、家計の総合的なインフレ率を直接計算することもできません。
9月四半期のCPIは、Stats NZの案内では2026年10月22日に公表予定です。9月SPIは家計に関わる一部価格の動きを先に見る材料ですが、物価全体の評価はCPI公表後に確認する必要があります。
今後見るポイント
今回のデータから確認できるのは、9月に食品全体は前月比で横ばいだった一方、食料品や燃料、電気では異なる動きがあったことです。10月22日のCPIでは、対象品目全体を含む四半期の物価変化と、上昇に寄与した項目を確認する必要があります。SPIの品目別上昇率だけで、家計全体の負担や今後の物価動向を断定することはできません。
出典・参考資料
- Stats NZ「Selected price indexes: September 2026」2026年10月16日 — 資料を開く
- Stats NZ「Selected Price Indexes」DataInfo+(公開日記載なし、確認日:2026年10月19日) — 方法・対象品目を確認
- Stats NZ「Consumers price index: June 2026 quarter」2026年7月21日 — 次回のCPI公表予定日を確認
